VIDEO 007
食べたものを毒にしない食事法——消化・調理・食べ方
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OVERVIEW
この節の目的
前の節では、「何を選び、何を減らすか」という食材選びを見てきました。
けれど、せっかく良い食材を選んでも、食べ方や調理の仕方が自分の身体に合っていなければ、うまく滋養として受け取れないことがあります。
アーユルヴェーダでは、「何を食べるか」と同じくらい、「どう食べ、どう消化するか」を大切にします。
この節では、ヴァータ・ピッタ・カパそれぞれが陥りやすい食べ方の癖と、食材をきちんと身体の力へつなげるための小さな工夫を見ていきましょう。
01
「何を食べるか」と同じくらい、
「どう食べるか」
無添加のものを選ぶ。
オーガニックの野菜を買う。
発酵食品や、 身体に良いといわれる食材を 意識して取り入れる。
せっかくそこまで選んでも、 もう一つ忘れてほしくないことがあります。
その食事を、 あなたの身体がきちんと 消化できているか。
第1章で、 「食べたもの=そのまま栄養」 ではないと学びました。
食べたものを消化し、 吸収し、 身体の中で使える形へ変え、 不要になったものを外へ出す。
そこまでできて、 はじめて食事が 身体を養う材料になります。
アーユルヴェーダでは「アグニ」を見る
アーユルヴェーダでは、 食べたものを消化し、 身体が使えるものへ変える力を 「アグニ」と呼びます。
反対に、 十分に消化されず 身体の負担となって残るものを 「アーマ」と捉えます。
だから、 「身体に良いものを食べたからOK」 ではありません。
その人がきちんと消化できることまでが、 食事です。
良い食材を選ぶことは入口。
きちんと消化できて、はじめて滋養になる。
02
ヴァータ|
ながら食べと早食い
ヴァータは、 頭の回転が速く、 いくつものことを 同時に進めるのが得意なタイプです。
その特性は、 食事にも表れます。
スマートフォンを見ながら。
パソコンで仕事をしながら。
次の予定を考えながら。
立ったまま、 急いで食べてしまう。
「食べること」そのものに 意識が向いていないことが 少なくありません。
ヴァータの食事ルール
まず、座る。
一つのことだけをする。
よく噛んで、味わう。
温かい食事を、 落ち着いた環境で ゆっくりいただきましょう。
もう一つ、 ヴァータの方に意識してほしいのが 食事中のおしゃべりです。
楽しく会話しながら食べることは、 心の滋養になります。
ただし、 口の中に食べものがある状態で 話し続けると、 一緒に空気を飲み込みやすくなります。
「一口食べたら、まず噛む」
それだけでも、 食事のリズムは変わります。
ヴァータの合言葉は、
「まず座る。そして、よく噛む」。
03
ピッタ|
食べすぎと、怒ったまま食べる
ピッタは、 比較的食欲がしっかりしていて、 食べることそのものを 楽しめる人も多いタイプです。
だからこそ、 「私は胃が強いから大丈夫」 と食べすぎてしまうことがあります。
胃もたれを感じないことと、 身体にとって適量であることは 同じではありません。
ピッタの食事ルール
腹八分を意識する。
そして、 食卓へイライラを 持ち込まないこと。
怒ったまま、 ストレスを抱えたまま、 勢いで食べたり飲んだりしない。
一度ひと呼吸してから、 食事を始めてみましょう。
ピッタは、 「ちゃんとする」ことが得意です。
だから、 食事も栄養計算やルールばかりに 意識が向くことがあります。
でも、 食べる時間そのものを 穏やかに過ごすことも、 食事の一部です。
ピッタの合言葉は、
「腹八分と、穏やかな心」。
04
カパ|だらだら食べと、
「数えない一口」
カパは、 溜め込む方向へ傾いたとき、 食事にもその特徴が表れます。
お腹は空いていないのに、 なんとなく食べる。
人から勧められたから一口。
料理中の味見。
仕事の合間のお菓子。
「これは食事じゃないから」 とカウントしていないものが、 実は一日の中で 何度も重なっていることがあります。
カパの食事ルール
まず「何を食べたか」に気づく。
カパに必要なのは、 厳しい食事制限より先に、
自分が何を、 どれくらい口にしているのかを 意識すること。
そして、 お腹が空いてから食べる。
一口ずつ、 しっかり噛む。
食事と食事の間に 何も入れない時間をつくります。
よく噛むことは、 食べる速度を落とし、 自分がどれくらい食べたのかを 感じる時間にもなります。
カパの合言葉は、
「空腹を待つ。そして、よく噛む」。
05
全員に共通する、
食べ方の基本
ここまで、 体質ごとの違いを見てきました。
でも、 どの体質にも 共通して大切にしたいことがあります。
まずは、この4つ
① 温かくして食べる
冷たいものばかりではなく、 胃腸が受け取りやすい温度を意識します。
② よく噛む
消化は、 飲み込んでから始まるのではありません。 口の中から始まっています。
③ 腹八分
「まだ少し食べられる」くらいで 終えることも、 消化を助ける工夫です。
④ 食べる時間を意識する
一日の中でも、 食事の量や重さを変えていきます。
アーユルヴェーダでは、 日中は消化の力が高まりやすい時間として 昼食を大切にします。
朝・昼・夜を、同じ量にしない
朝|軽めに
朝の身体に負担をかけすぎない 食事から始めます。
昼|しっかり滋養
一日の中心となる食事として、 必要な栄養をきちんと摂ります。
夜|軽めに
寝る直前まで消化に追われないよう、 重すぎる食事を避けます。
毎食、 同じ量を食べなければならないわけではありません。
「今、身体はこれを消化できる?」
その視点を持ってみましょう。
06
食材を活かす、
ちょっとしたひと手間
同じ野菜。 同じ肉。 同じ魚。
それでも、 下ごしらえや調理の仕方によって、 身体への負担や 食べやすさは変わります。
だから、 食材を選んだところで 終わりではありません。
ひと手間①|50度洗い
この教科書では、 食材の汚れや表面の付着物を落とし、 下ごしらえする方法の一つとして 「50度洗い」を紹介しています。
すべての食材に 必ず行わなければならないものではありません。
毎日の料理に取り入れられる 一つの工夫として 使ってみてください。
ひと手間②|スパイスと薬味
生姜、胡椒、 ターメリックなどのスパイスや、 ねぎ、しそ、大根おろしなどの薬味。
アーユルヴェーダでは、 これらを単なる風味づけではなく、 消化を助けるための知恵 として使います。
たくさん使う必要はありません。
食材や自分の体質に合わせて、 少量を上手に取り入れていきましょう。
「良いものを選ぶ」だけではなく、
「身体が受け取れる形にして食べる」。
第2章の最初に学んだ 「入れない・溜めない・出す」 を思い出してください。
食材の選び方と、 その食べ方を整えることは、 このうちの 「入れない」を実践するための 大切な部分です。
ここまでで、 「何を選ぶか」と 「どう食べるか」がつながりました。
そして第2章の最後は、 いよいよ 「どう出すか」です。
次の節では、 便・尿・汗・生理という 4つの出口を、
ヴァータ・ピッタ・カパ、 それぞれの体質に合わせて どう整えるのか を具体的に見ていきましょう。
SUMMARY