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妊娠力の教科書

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妊娠力の教科書

CHAPTER 02

第2章 > 003

良いものを入れても変わらない理由——まず出せる身体へ

あなたの体質が、あなたの「出し方」を決める

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OVERVIEW

この節の目的

「身体に良い」と言われる方法でも、すべての人に同じように合うとは限りません。

アーユルヴェーダでは、生まれ持った体質によって、冷えや乾燥に傾きやすい人、熱がこもりやすい人、溜め込みやすい人など、それぞれに違いがあると考えます。

この節では、ヴァータ・ピッタ・カパという3つの体質を手がかりに、「何が溜まりやすいのか」「どんな出し方が合いやすいのか」を見ていきます。人のやり方をそのまま真似るのではなく、自分の身体に合う方法を選ぶための土台をつくりましょう。

01

同じ方法が、
みんなに合うとは限らない

「これをしたら便秘がよくなった」

「この食事法で身体が軽くなった」

「この健康法がすごく良かった」

SNSや雑誌、 友人の口コミなどを見ていると、 たくさんの成功例に出会います。

でも、 その方法をそのまま真似したのに、 自分にはあまり合わなかった。

そんな経験はありませんか?

人の正解が、そのまま自分の正解とは限りません

同じ排毒法でも、 ある人には心地よく働き、 別の人には刺激が強すぎることがあります。

逆に、 ある人には十分な方法でも、 別の人には少し物足りないこともあります。

その違いを見る手がかりの一つが、 「体質」です。

02

まずは、三人の女性を
想像してみる

難しい体質の名前を覚える前に、 三人の女性を想像してみてください。

こんな人、身近にいませんか?

一人目
頭の回転が速く、 アイデアも豊富。

でも、 夜になっても考えごとが止まらず、 手足は冷えやすい。

肌や髪が乾きやすく、 便もコロコロと硬くなりがち。

何かあると 「大丈夫かな」と不安になり、 心がそわそわしやすい。


二人目
情熱的で、 仕事もきっちり。

頼れる一方で、 思い通りに進まないと イライラしやすい。

暑がりで、 顔や身体に熱がこもりやすく、 肌の赤みや胃の不快感が 気になることもあります。


三人目
おっとりしていて、 一緒にいると安心する人。

でも、 朝なかなか動き出せなかったり、 「あとでやろう」と 先延ばしにしがち。

むくみやすく、 身体が重く感じやすい。

「これ、私かもしれない」

「こういう人、いるな」

そんなふうに思ったでしょうか。

この違いを、 アーユルヴェーダでは 体質の違いとして見ていきます。

03

その違いをつくる、
「ドーシャ」

アーユルヴェーダでは、 心と身体の働きを見る大きな軸として、

ヴァータ・ピッタ・カパ

という3つの「ドーシャ」を使います。

3つの体質の基本

Vata|ヴァータ
軽やかで、動きがあり、 発想力や行動力に富むタイプ。

バランスを崩すと、 冷え・乾燥・不規則さ・不安などが 出やすいと考えます。

Pitta|ピッタ
情熱的で、 判断力や集中力に優れるタイプ。

バランスを崩すと、 熱・イライラ・炎症的な傾向などが 出やすいと考えます。

Kapha|カパ
安定感があり、 おおらかで持久力のあるタイプ。

バランスを崩すと、 重さ・むくみ・停滞・ため込みなどが 出やすいと考えます。

ここで大切なのは、 どの体質が良い・悪いという話ではない ことです。

それぞれの強みと、 乱れたときに出やすい方向が違う。

それだけです。

04

毒の「溜まり方」も、
体質で違う

第2章では、 「出せる身体をつくる」ことを 学んでいます。

ここで体質が重要になる理由は、 同じ「溜まる」でも、 その現れ方が違う からです。

便通を例にしてみましょう。

同じ「出にくい」でも、中身は違う

ヴァータ
冷えや乾燥が強くなると、 便が硬く、コロコロしやすい。

こうしたときは、 無理に刺激するより、 温める・潤す という方向を考えます。

ピッタ
熱が強いと、 軟便や下痢などに傾くことがあります。

その一方で、 アーユルヴェーダでは熱が過剰になることで 乾燥方向へ傾く場合もあると考えます。

この場合は、 熱をこもらせない ことが基本になります。

カパ
重さや停滞が強くなると、 動きが鈍くなり、 溜め込みやすくなります。

この場合は、 動かす・巡らせる という方向を考えます。

「便秘に良いもの」を探す前に、
「私は、どんなふうに滞っている?」を見る。

これが、 体質を見る意味です。

05

同じケアでも、
やり方を変える

体質によって違うのは、 食事や便通だけではありません。

同じ身体のケアでも、 強さやスピード、リズムを 変えることがあります。

たとえば、 この教科書でも使っていく 絹の手袋によるケア 「こすっ手」

アーユルヴェーダの ガルシャナという考え方を取り入れた 乾布摩擦です。

こすっ手も、体質で加減する

ヴァータ
ゆっくり、やさしく、 一定のリズムで。

刺激を強くしすぎず、 落ち着かせながら行います。

ピッタ
熱をこもらせないことを意識し、 強く刺激しすぎないように。

カパ
リズミカルに、 ヴァータよりもしっかりと。

滞っているものを 動かすイメージで行います。

同じケアなのに、 人によってやり方が変わる。

これが、 「あなたに合う方法」 という考え方です。

06

「自分に合う方法」を
選ぶということ

ここまで学んできたことを、 一度つなげてみましょう。

第1章では、 セルフチェックから 自分のボトルネックを見ました。

第2章では、 「まず出せる身体へ」という 順番を学びました。

そして今回、 そこにもう一つ 「体質」 という軸が加わりました。

これからは、この3つを重ねて考えます

① 今の身体の状態
セルフチェックでは、 どこに手をかけたいのか。

② 身体を整える順番
手前から、 一つずつ整えていく。

③ 自分の体質
同じ方法でも、 自分にはどう取り入れるのかを考える。

「何が正しいか」だけではなく、
「今の私には、どうするのが合うか」。

これがわかるようになると、 誰かの健康法を見つけるたびに 振り回される必要がなくなります。

自分の体質は、 妊娠力を整えるためだけの知識ではありません。

食事、睡眠、運動、 身体のケア、 そして心の整え方まで、 これから何度も使う 自分自身の取扱説明書になります。

そして、 この体質という土台の上で、 女性の身体を毎月大きく動かしているものがあります。

女性ホルモンです。

次の節では、 女性ホルモンと月経周期を 「排毒」という視点から見ていきます。

SUMMARY

この節のまとめ

  • アーユルヴェーダでは、人にはヴァータ・ピッタ・カパという3つの体質的な傾向があると考えます。
  • 体質によって、冷え・乾燥・熱・停滞など、乱れたときに現れやすい方向が違います。そのため、同じ「溜まる」「便秘」という状態でも、原因や整え方が同じとは限りません。
  • ヴァータは「温める・潤す」、ピッタは「熱をこもらせない」、カパは「動かす・巡らせる」が基本の方向です。
  • 同じケアでも、体質によって強さやリズムを変えることが「自分に合う方法」を選ぶということです。
  • これからの実践では、「何が良いといわれているか」だけでなく、「今の自分にはどう取り入れるか」を考えていきます。