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妊娠力の教科書

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妊娠力の教科書

CHAPTER 05

第5章 > 005

賢く、したたかに、しなやかに

賢く、したたかに、しなやかに

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OVERVIEW

この節の目的

ここまで、精子のこと、男性の身体のこと、そして二人で整える生活習慣について見てきました。

第5章の最後は、もう一度「心」と「関係性」に戻ります。

正しいことを伝えているのに、なぜ相手は動いてくれないのか。どうすれば、責めたり管理したりせずに、自分から動いてもらえるのか。

この節では、「賢く、したたかに、しなやかに」二人の妊活を進めるための関わり方を考えていきます。

01

責めるのではなく、
動かす

第5章の最初に、 こんな話をしました。

責めるのではなく、 自主的に動いてもらう。

戦うのではなく、 味方につける。

では、 具体的にどうすればよいのでしょうか。

まず意識したい、4つ

① ほめる
「ありがとう」
「助かった」
「嬉しい」

大きな成果でなくて大丈夫です。

② 役割をつくる
「これはお願いしたい」 という役割を一つ渡します。

③ 小さく頼んで、一緒に喜ぶ
最初から大きく変えようとせず、 ベビーステップで進めます。

④ 言い方を変える
相手を追い詰める言葉ではなく、 自分で選んで動ける言葉を使います。

ここで大切なのは、 パートナーを 思いどおりに操ることではありません。

相手の主体性を残したまま、 同じ方向へ進める関わり方を選ぶ。

ということです。

02

言い方を変えるだけで、
結果は変わる

たとえば、

「あれ、まだやってないの?
いつになったらできるの?」

と言われたら、 どう感じるでしょう。

内容としては 間違っていなくても、

責められた。

急かされた。

管理された。

そんなふうに 感じるかもしれません。

同じことでも、こう変えてみる

「あれ、いつ頃できそう?」

「私は○○までにできていると 助かるんだけど、どうかな?」

導きたい結果は同じです。

でも、 「いつやるのか」を 相手が考える余地が残ります。

言葉一つで、

「言われたからやる」 になるのか。

「自分からやろう」 になるのか。

その入口は変わります。

相手を動かしたいときほど、
相手が自分で決められる言葉を選ぶ。

03

できないときは、
まず自分を見る

ここまで読んで、

「それができたら苦労しない」

と思った方も いるかもしれません。

「ありがとう」と言えない。

ほめる気持ちになれない。

優しく伝える余裕なんてない。

そんなときもあります。

そのとき、 無理に優しい妻を 演じる必要はありません。

「余裕がない」という身体からのサイン

睡眠が足りていない。

疲れている。

食事が乱れている。

仕事や家事を抱えすぎている。

言えなかった不満が 積み重なっている。

相手に優しくできないとき、 自分の余力が減っていることもあります。

だから、 「もっと優しくしなくちゃ」 と自分を責めるのではなく、

「私は今、ちゃんと休めている?」

と自分に問いかけてみましょう。

第1章から学んできた オージャス=余力の話も、 ここにつながっています。

04

まず、自分に同じことを
してあげる

パートナーに向けた 4つの方法を、

一度、 自分自身へ向けてみてください。

自分にも、4つ

① 自分をほめる
今日できたことを 一つ認める。

② 自分の役割を認める
「私だからできていること」を 思い出す。

③ 小さくできたことを喜ぶ
完璧ではなく、 一歩進んだことを見る。

④ 自分への言い方を変える
「またできなかった」 ではなく、 「今日はここまでできた」 と声をかける。

自分に厳しい状態が続けば、 相手のできていない部分にも 目が向きやすくなります。

だから、 相手を変える前に、

自分への接し方から 変えてみる。

それも、 二人の関係を整える 大切な一歩です。

今日一日を過ごした自分に、
「よくやったね」と言ってあげる。

05

行いから、
心を整える

アーユルヴェーダには、 Achara Rasayana (アーチャーラ・ラサーヤナ) という考え方があります。

アーチャーラとは、 「行い」。

ラサーヤナとは、 滋養し、 健やかに生きることを支える アーユルヴェーダの考え方です。

つまり、 日々の行いや心のあり方そのものを 自分を養うものと考える のです。

特別なものがなくてもできる

誠実でいる。

怒りに任せて話さない。

柔らかい言葉を使う。

思いやりを持つ。

きちんと眠る。

日々の小さな行いも、 心と身体を整える一部と考えます。

「心が整ったら、 優しくしよう」

ではなく、

まず、 一つ優しい言葉を使ってみる。

手を握る。

抱きしめる。

「ありがとう」と言う。

行いから入ることで、 気持ちが変わっていくこともあります。

ただし、コントロールするために使わない

「これをすれば、 夫が言うことを聞く」

というテクニックに してしまわないこと。

相手を変えるための優しさではなく、 二人の関係そのものを 大切にするための行いです。

06

賢く、したたかに、
しなやかに

人が変わるには、 時間がかかります。

今日伝えたから、 明日すべてが変わる。

そんなことばかりではありません。

だから、 相手の反応だけを見て 一喜一憂しないことです。

彼が変わっても、 変わらなくても、

あなたは、 あなたの身体と生活を 整え続ける。

このタイトルに込めた、3つの意味

賢く
責めずに働きかける。
相手の仕組みを知ったうえで、 伝え方を選ぶ。

したたかに
相手の反応に 自分の人生を振り回されず、 自分が進む道を持つ。

しなやかに
うまくいかない日があっても、 折れずに、 また戻ってくる。

相手を変えることに力を使いすぎず、
自分ができることを、淡々と積み重ねる。

この3つは、 妊活のためだけに 必要な力ではありません。

妊娠したあと。

出産するとき。

産後。

子育て。

そして、 その先の人生。

二人で生きていけば、 思いどおりにならないことは 何度もあります。

そのたびに、

責めるのではなく、 伝え方を考える。

相手に振り回されすぎず、 自分の軸へ戻る。

そして、 また関係をつくり直す。

賢く、したたかに、しなやかに。

この力は、 妊娠の先まで あなたを支えてくれます。

第5章で、二つの「種」がつながりました

第4章では、 卵子というBijaを見ました。

第5章では、 精子というBijaを見ました。

そして最後にたどり着いたのは、 精子や卵子だけではなく、 二人がどう生き、どう関わるか という話でした。

第1章の最初に、 この教科書では 一つの大切なことを お伝えしました。

妊娠は、ゴールではない。

ここまで整えてきた身体。

身につけてきた習慣。

二人で向き合ってきたこと。

それは、 妊娠した瞬間に 終わるものではありません。

次はいよいよ最終章。

第6章「妊娠は、ゴールではない」

ここまで積み上げてきたものが、 妊娠・出産、 そしてその先へ どうつながっていくのか。

最後の章で、 一緒に見ていきましょう。

SUMMARY

この節のまとめ

  • 相手を動かしたいときほど、責めるより、相手が自分で決めて動ける言葉を選びます。
  • 相手に優しくできないときは、まず自分自身の余力が減っていないかを見ます。
  • アーチャーラ・ラサーヤナでは、心が整うのを待つのではなく、穏やかな言葉や思いやりのある「行い」から心を整えていきます。
  • 「賢く、したたかに、しなやかに」は、妊活だけでなく、その先の人生にもつながる姿勢です。