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妊娠力の教科書

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妊娠力の教科書

CHAPTER 03

第3章 > 002

女性ホルモンが、妊娠のすべてを動かしている

女性ホルモンが、妊娠のすべてを動かしている

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OVERVIEW

この節の目的

卵子が育つ。排卵する。子宮が受精卵を迎える準備をする。そして、妊娠が成立すれば、その状態を維持していく。

妊娠までの流れを一つずつ切り取って見ると、別々の出来事のように感じます。

けれど、そのすべてをつないでいる大きな存在が、女性ホルモンです。

この節では、エストロゲンとプロゲステロンを中心に、卵子の成熟から排卵、着床の準備、生理までが、どのようにつながっているのかを一本の流れとして見ていきましょう。

01

妊娠までの出来事は、
全部つながっている

妊娠について調べていると、 いろいろな言葉が出てきます。

卵子の質。
排卵。
子宮内膜。
黄体ホルモン。
着床。

一つひとつを見ると、 まるで別々の問題のように 感じるかもしれません。

でも、 女性の身体の中では これらは一本につながっています。

「点」ではなく、「流れ」で見る

卵胞が育つ。

卵子が排卵される。

子宮が受精卵を迎える準備をする。

妊娠が成立すれば、 その環境を維持していく。

妊娠が成立しなければ、 子宮内膜を手放し、 また次の周期へ向かう。

その流れを大きく動かしているのが、 女性ホルモンです。

「排卵だけ」 「着床だけ」 を切り取るのではなく、

まずは、 一つの周期として 身体を見てみましょう。

02

まず知っておきたい、
2つの女性ホルモン

月経周期の中で 特に大きな役割を持つのが、

エストロゲンと プロゲステロン です。

Estrogen|エストロゲン

生理が終わったあとから 排卵へ向かう時期に増えていきます。

卵胞の発育にともなって分泌され、 子宮内膜を厚くしていく働きがあります。

また、 骨・血管・皮膚など、 女性の身体のさまざまな組織にも 関わっています。

Progesterone|プロゲステロン

排卵後につくられる 黄体から分泌されます。

子宮内膜を、 受精卵を迎えやすい状態へ保ち、 妊娠が成立した場合には その維持を支える働きをします。

大切なのは、 「どちらが良いホルモンか」 ではありません。

必要な時期に、 必要なホルモンが働き、 次の段階へ切り替わっていくこと。

そのリズムが、 月経周期です。

03

卵子は、排卵の日だけ
育っているのではない

排卵の日になると、 突然卵子ができるわけではありません。

卵巣の中では、 卵胞が長い時間をかけて 少しずつ発育しています。

その中から、 その周期に排卵へ向かう卵胞が選ばれ、 最終的な成熟へ進んでいきます。

「今月の排卵」だけを見ない

卵胞の発育は、 排卵直前の数日だけで 起きているわけではありません。

だからこそ、 妊娠を望むときに 「今月だけ何とかする」 という考え方ではなく、

毎日の食事、睡眠、巡り、 そして身体のリズムを 日頃から整えていく。

この教科書が そこを大切にしている理由の一つです。

卵巣や卵胞へも、 血流を通して 酸素や栄養が届けられています。

だから、 卵子だけを切り離して考えるのではなく、

その卵子を育てている 「あなたの身体全体」

を見ていきます。

04

排卵すると、身体は
「迎える準備」へ切り替わる

卵胞の中で卵子が成熟すると、 やがて排卵が起こります。

排卵とは、 成熟した卵子が 卵巣から外へ放出されることです。

そして、 排卵が終わると、 身体の役割は次の段階へ 大きく切り替わります。

卵子を育てていた卵胞が「黄体」になる

排卵後、 卵子が出たあとの卵胞は 黄体へ変化します。

そして黄体から、 プロゲステロンが 分泌されるようになります。

ここから身体は、 「卵子を育てる段階」から 「受精卵を迎える段階」 へ移っていきます。

プロゲステロンの働きによって、 子宮内膜は 受精卵を迎えるための状態へ 保たれていきます。

つまり、

卵胞が育つ。
排卵する。
黄体になる。
子宮が迎える準備をする。

これもすべて、 バラバラではありません。

05

妊娠しなかったら、
次の周期へ

排卵した卵子が精子と出会い、 受精卵となって子宮へたどり着き、 着床すると、 妊娠が始まります。

妊娠初期には、 プロゲステロンが 子宮内膜を妊娠に適した状態へ 保つために重要な役割を果たします。

一方、 妊娠が成立しなかった場合は、 黄体が退縮します。

それにともなって エストロゲンとプロゲステロンが低下し、 子宮内膜が剥がれ、 生理が始まります。

生理は「終わり」ではありません

生理が始まると、 一つの周期は区切りを迎えます。

でも同時に、 次の周期も すでに始まっています。

育てる。
排卵する。
迎える。
手放す。
そして、また育てる。

女性の身体は、 このリズムを繰り返しています。

06

毎月の周期を、
一つの物語として見る

私は、 毎月の月経周期を 「小さな妊娠」 と表現することがあります。

そして生理を、 「小さな出産」 と表現します。

これは医学的な名称ではありません。

女性の身体が毎月、 卵子を育て、 排卵し、 妊娠を迎える準備をし、 妊娠しなければ子宮内膜を手放す。

その一連の営みを、 一つにつなげて捉えるための この教科書での表現です。

「今月だけ」ではなく、毎月の身体を見る

排卵のときだけ頑張る。

妊娠を望んだ月だけ 身体に良いことをする。

そうではなく、

毎月の周期を、 自分の身体を整える練習として 丁寧に過ごしていく。

その積み重ねを、 この教科書では大切にします。

卵子の成熟も。
排卵も。
受精卵を迎える準備も。
生理も。

すべて、一つの身体の中で つながっています。

そして、 この女性ホルモンの変化を 身体の外から感じやすい場所の一つが、 前の節で学んだ おっぱいです。

おっぱいに毎日触れ、 月経周期と一緒に その変化を感じていく。

それは、 自分の身体のリズムを 知る習慣にもなります。

次の節では、 ここまで学んだ 卵子の成熟・排卵・着床・妊娠継続を さらに一つの全体図として整理します。

妊娠のどの段階で、 身体の中では何が起きているのか。

目の前の数字や 一回の排卵だけではなく、 妊娠までの長い流れを 見渡していきましょう。

SUMMARY

この節のまとめ

  • 女性の身体では、エストロゲンとプロゲステロンを中心としたホルモンが、月経周期に合わせて変化しています。
  • 卵胞が育つ時期、排卵、排卵後の黄体期、生理は、それぞれ独立した出来事ではなく、一つの周期としてつながっています。
  • 排卵後の卵胞は黄体となり、そこから分泌されるプロゲステロンが子宮内膜を妊娠に適した状態へ保つ働きをします。
  • 妊娠が成立しなければ、エストロゲンやプロゲステロンが低下し、子宮内膜が剥がれて生理が起こります。
  • 妊娠を考えるときは「排卵だけ」「着床だけ」と切り取るのではなく、月経周期全体の流れを見ることが大切です。
  • 毎月の周期を観察し、自分の身体のリズムを知ることが、その先の妊娠・出産へ向けた身体づくりにつながります。