01|アーユルヴェーダとは
「生命の科学」と呼ばれる、古代インドの知恵
アーユルヴェーダは、古代インド発祥の伝統医学です。 「アーユル」は生命・長寿、「ヴェーダ」は知識を意味し、 3000年以上前から伝えられてきました。
アーユルヴェーダでは、人の心・身体・行動、 そして季節や環境までを含めた全体の調和が、 健康でいるために大切だと考えます。
病気になってから対処するだけではなく、 食事や生活を通して日々のバランスを整え、 その人が本来持っている力を発揮できる状態を目指します。
02|空・風・火・水・地
私たちの身体も、自然と同じ5つの要素からできている
この5つの要素が組み合わさることで、 ヴァータ・ピッタ・カパという3つのドーシャが生まれます。
03|3つのドーシャ
5つの要素から生まれる、3つの生命エネルギー
アーユルヴェーダでは、 人の心と身体の基礎となる生命エネルギーを 「ドーシャ」と呼びます。
ドーシャは、 ヴァータ・ピッタ・カパの3つ。 誰の中にもこの3つすべてがあり、 その配合バランスによって、 身体つきや性格、行動の傾向などに違いが生まれます。
3つが比較的バランスよく備わっているタイプを 「Tridosha/トリドーシャ」と呼びます。
04|体質の特徴
Vata・Pitta・Kaphaの特徴と傾向
ヴァータ|風体質の特徴と傾向
特徴・傾向
- スリムで小柄、または背が高い
- スッキリとした顔立ち
- 乾燥肌だが傷の治りが早い
- 軽やかで発想豊か
- 軽快で自由を好み、一ヶ所に安定することを嫌う
- 好奇心旺盛で積極的に活動し、率先して働く
- 周囲を明るく幸せにする
- 豊かな想像力をもち、順応性があり理解が速い
- スタミナはないので、規則的な生活と食事、休息が必要
- 甘くしっとりした温かい食べものを好む
調子を崩すと……
- 皮膚が乾燥し、枝毛やフケが多くなり髪もパサパサになる
- 手足が冷え、寒がりになる
- 痛みを感じやすくなる
- お腹にガスがたまって張り、便秘になる
- 声がかすれやすい
- 気分の変動が激しく、不安・緊張・恐怖心が強くなる
- 衝動的でまとまりがなくなり、心配症になる
- 空虚感に襲われ、不眠になりやすい
不調の原因はこんなこと
- 不規則な生活
- 精神と五感の刺激過多
- 睡眠不足
- 肉体的な激しい運動
- 絶食やダイエット
- 寒くて風の強い乾燥した天候
- 冷房がかかった室内
- 秋から初冬にかけて
ピッタ|火体質の特徴と傾向
特徴・傾向
- 均整のとれたプロポーションで情熱的に輝く瞳をもつ
- 身体がやわらかく、皮膚に輝きがある
- 快食・快眠・快便
- 知的でリーダーの素質がある
- とても切れ味がよく、鋭い分析力と高い知性をもつ
- チャレンジ精神旺盛で勇敢
- 消化力が強く、規則的な食事が必要
- 空腹に弱い
- 甘いもの、苦いもの、冷たいものを好む
調子を崩すと……
- 体温の変動が激しく、過度の汗をかく
- 視力が低下し、目が充血しやすい
- 胸焼け、消化不良、下痢を起こしやすい
- 吹き出物や皮膚発疹が出やすい
- ほくろやそばかすが多くなる
- 口臭、体臭が強くなる
- 怒りっぽく、批判的になる
- 破壊的で完全主義になり、見栄っ張りになる
- 独善的で威圧的になる
不調の原因はこんなこと
- 部屋が暑すぎる、太陽に当たりすぎている
- 空腹、不規則な食事
- 動揺する、怒りながら食事をする
- 競争、争いごと
- 塩味、辛味、酸味の多い食事やアルコール
- 夜更かし、気を張り過ぎる
- 夏から初秋にかけて、暑く特に湿度が高いとき
カパ|水体質の特徴と傾向
特徴・傾向
- 太りやすく、やせにくい
- 皮膚は厚く白く、オイリー
- 髪が豊かで光沢がある
- 大きな目で優しいまなざし
- おだやかで慈愛深く献身的
- 持久力があり、よく眠る
- 安定的で物事に動じることなく、常に平和的に対処する
- 豊かな愛情で人を包み、癒しを与える
- 慣れないことにも耐え、ゆっくり確実に身につけていく
- 消化に時間がかかる
- 辛味や苦味、乾いたものやさっぱりしたものを好む
調子を崩すと……
- 肥満になり、むくみやすい
- 鼻炎、鼻づまり、アレルギーを起こしやすい
- 口内が甘く痰が出やすい
- 眠気が強く、だるくなる
- こだわりやすく、保守的・執着的になる
- 妬みや頼りなさ、不寛容といった感情が出やすくなる
- どっしりと重く、動作が緩慢で怠惰になりやすい
- 物質主義で、物を抱え込みやすい
不調の原因はこんなこと
- 眠り過ぎ、昼寝
- 活発に身体を動かさない
- 甘くて油っこい食物や、塩分のとり過ぎ
- 食べ過ぎてすぐに横になる
- 冬の終わりから春先にかけて
- 寒くて雨が降る日
05|プラクリティとヴィクリティ
「生まれ持った体質」と「今の状態」は違う
プラクリティ
生まれ持った体質その人が本来持っている、 ヴァータ・ピッタ・カパの基本的なバランス。
ヴィクリティ
今のドーシャバランス生活や環境などによって変化した、 現在の心と身体の状態。
「私はヴァータだから、ヴァータだけが乱れる」 ということではありません。 本来の体質とは別に、その時々の生活や環境によって、 ピッタが増えることも、カパが増えることもあります。
大切なのは、自分の体質を知ることと同時に、 「今、どのバランスが崩れているのか」を見ることです。
06|アグニ
消化し、変換し、「自分のもの」にする力
アーユルヴェーダでは、 食べたものを消化し、吸収し、 身体に必要なものへと変換する力を 「アグニ」と呼びます。
何を食べるかだけではなく、 それをきちんと消化して、 自分の身体をつくる材料として使えるかどうか。 そこまで含めて考えるのがアーユルヴェーダです。
07|アーマ
消化しきれず、身体に残ったもの
消化・吸収・変換できる
↓必要なものが身体をつくる
十分に消化・変換できない
↓アーマが生まれる
「アーマ」は、アーユルヴェーダで使われる独自の概念です。 現代医学でいう「毒素」という特定の物質を指す言葉ではありません。
食べたものなどが十分に消化・代謝されず、 身体の中に残ったものを表す考え方です。
08|オージャス
心と身体を支える「生命の余力」
よく食べ、きちんと消化し、 眠り、休み、回復する。 そうした積み重ねの先に生まれる生命力を、 アーユルヴェーダでは「オージャス」という言葉で表します。
毎日どれだけ頑張れるかだけではなく、 頑張ったあとに、きちんと回復できているか。 心にも身体にも「余力」が残っているか。 それも、自分の状態を見る大切な視点です。
頑張れるかではなく、回復できるか。
09|心の3つの質
サットヴァ・ラジャス・タマス
アーユルヴェーダでは、 身体だけでなく心にも「質」があると考えます。 それが、サットヴァ・ラジャス・タマスです。
サットヴァ
澄んでいる・調和・安定心が穏やかで、物事を明晰に見ることができる状態。
ラジャス
動き・興奮・欲求行動する、変化する、何かを求めて動くために必要な力。
タマス
重さ・静止・休息動きを止め、眠り、休み、静かになるために必要な力。
ラジャスやタマスは「悪いもの」ではありません。 行動するにはラジャスが必要で、 眠り休むにはタマスが必要です。 大切なのは、どれかをなくすことではなく、 それぞれが適切に働いていることです。
10|アーユルヴェーダの基本
自分を「型にはめる」ためのものではありません
「私はヴァータだから」 「私はカパだから」 と、自分を決めつけるためのものではありません。
今の自分に、何が増えているのか。
何が足りないのか。
何によってバランスを崩しているのか。
それに気づき、 食事や睡眠、身体の動かし方、 心の使い方などを、 日々の暮らしの中で少しずつ調整していく。
それが、アーユルヴェーダの基本です。